マンションの売買などの取引を行う際には、必ず査定が実施されます。査定の方法には2種類あり、それぞれに良い点と悪い点が存在します。取引を始めるにあたっては、2種類の査定方法其々のメリット・デメリットをよく理解しておく必要があります。

2種類のマンションの査定方法の概要を理解しよう

マンションの取引の際に行われる査定には、「机上査定(簡易査定)」と「訪問査定」があります。机上査定(簡易査定)は、間取りや築年数、面積などといったマンション自体の情報や、類似した物件の取引状況、市場の動向など、データや情報のみに基づいて価格を出す査定です。

公表されている、あるいは不動産会社内に蓄積されている情報を用いて作業が行われるため、早ければ依頼をしたその日のうちに結果を知ることができます。

一方、訪問査定は、マンションに派遣されてくる不動産会社のスタッフが行う現地調査の内容をもとに査定価格を出す方法です。

机上査定で使用した情報に、マンション内部の状態や立地、周辺の環境などの不動産会社のスタッフが直接チェックした内容を加味して価格を出します。結果が依頼者に通知されるまでには少し時間がかかりますが、その分精度の高い結果を知ることができます。

一連の不動産取引の過程の中で、簡易査定と訪問査定は両方とも実施されるのが一般的です。通常は、最初に簡易査定を受け、その結果をもとに訪問査定を依頼するどうかを決定します。

2つの査定方法其々のメリット・デメリットは何か

机上査定(簡易査定)と訪問査定其々のメリット・デメリットについて述べると、まず机上査定(簡易査定)は現地での立ち会いが不要で、結果の通知までに時間がかからない点がメリットであり、デメリットはマンションの状態などが評価対象にならず、通知される結果は概算による参考価格となることです。大まかにでもマンション市場の動向を知りたいのであれば、簡易査定でも十分に参考になります。

これに対して訪問査定は、マンションの現状が評価に反映された正確な価格を知ることができる点がメリットで、調査に立ち会うための時間を確保する必要があり、仕事等の予定をキャンセルしなければならない場合がある点と、結果が通知されるまでに時間がかかる点がデメリットです。

売却などの取引をする際にお世話になる不動産会社を選ぶときに、訪問査定の結果は重要な判断材料となります。特に、より高値でマンションを売却したい場合は、複数の不動産会社に訪問査定を依頼して結果を得るのは不可欠といえます。

査定方法の特徴を知って上手に使い分けよう

マンション等の不動産の査定方法には、物件自体の情報や類似物件の取引動向などといったデータをもとに行う「机上査定(簡易査定)」と、この結果に現地調査の内容を加味して価格を出す「訪問査定」の2種類があります。

机上査定は短時間で結果を知ることができる一方で、通知される価格は参考値であることに注意が必要であり、訪問査定は正確な価格を知ることができますが、結果通知までに時間がかかることと、現地で立ち会うためのスケジュールの確保が必要なことに気をつけなければなりません。不動産取引を良いものにするためには、2つの査定方法を上手に使い分けることが重要です。