手持ちのマンションを売却した場合には、さまざまな税金がかかります。これらは主に手続きの関係で売却時にかかる税金と、利益が生じたときにかかる税金とに分かれます。特に利益が生じたときにかかる税金については、事前にシミュレーションしておくのもよいでしょう。
マンションの売却時にかかる税金とは
マンションの売却時にかかる税金としては、印紙税や登録免許税が挙げられます。印紙税は売却代金の記載がある売買契約書を作成したときにかかる税金で、登録免許税は売却にともなう登記簿上の名義変更を法務局に申請するときにかかる税金です。
どちらもマンション売却の手続きに関連して納税の義務が発生するものであり、計算方法もそれほど複雑ではありません。印紙税であれば売買契約書に記載されている金額そのものによって税額が変わります。登録免許税は固定資産税評価額に税率を掛け算して税額を求めますが、目的や資産の種類によって税率はそれぞれ異なっています。
またマンション購入時に住宅ローンを組むなどして銀行の抵当権が設定されていて、これを抹消した上で売却するのであれば、抵当権抹消登記についてもやはり登録免許税がかかります。なお印紙税と登録免許税のどちらにもいえることですが、租税特別措置法の規定により、現在はおおもとの法律に定められている税率よりも軽減されています。
利益が生じたときかかる税金とは
マンション売却をする場合、手続きの関係から売却時にかかる税金のほかにも、利益が生じたときにかかる税金があることを忘れてはなりません。
具体的にいえば譲渡所得税と呼ばれるものであり、もしも対象となる資産の所有期間が5年以下の場合は短期に、5年を超える場合は長期に分類され、それぞれの税率は30パーセントと15パーセントに設定されています。
したがって所有期間が5年を超えているほうが税額の計算上だんぜん有利ですので、売却時期を調整できる場合には検討してみてもよいでしょう。また税額の計算方法は基本的に売却で得られた利益に税率を掛ける方法ですが、この場合の利益は売却金額そのものではないことにも注意が必要です。
マンションを購入したときの取得費や、売却にともない支払った仲介手数料や印紙税などの諸費用を指す譲渡費用を売却金額から引き去ったあとの金額となります。特別控除が適用できる場合には、利益から特別控除を差し引いたものに税率を掛けて税額を求めます。
税金の種類を知ってシミュレーションを
マンションを売却する場合、売却時にかかる税金と、利益が生じたときにかかる税金の2種類があります。国税庁のウェブサイトには具体的な売却価格をあてはめてシミュレーションした譲渡所得税の額などが掲載されていますので、これにならって事前にシミュレーションしてみるとよいでしょう。